涙道手術

涙道の詰まりを解消する
「涙道手術」とは

涙道の詰まりを解消する「涙道手術」とは涙は、「涙腺」で産生・分泌され、目の表面を潤します。ただ、ずっと同じ涙が目に留まっているわけではありません。目頭にある「涙点」から、「涙小管」「涙嚢」「鼻涙管」を経て、鼻の奥へと流れていきます。この、涙点から鼻の奥にかけての涙の通り道を「涙道」と呼びます。
そして涙道が詰まった場合に、そのつまりを解消させるのが「涙道手術」です。涙管チューブ挿入術、涙嚢鼻腔吻合術などの方法があります。

勝手に涙が出る
「流涙症(涙目)」とは

流涙症とは、異物が目に入ったわけでも、悲しいわけでもないのに、涙がこぼれる状態です。

症状

症状
  • 涙があふれる
  • 涙で視界が滲む
  • 目やにがよくたまる
  • 涙で目のまわりの皮膚が荒れる

流涙症の原因となる
涙道の疾患

流涙症は、さまざまな原因によって引き起こされます。
ここでは、原因となる涙道疾患についてご紹介します。

涙小管・鼻涙管閉塞症

涙道が閉塞したり、狭窄したりして、涙の適切な排出が滞る病気です。
はっきりとした原因は分かっていませんが、40歳くらいから発症リスクが高くなります。また、男性よりも女性に多く見られます。抗がん剤などの薬剤が狭窄の原因となることもあります。

涙点閉塞

目頭のまぶたの縁に上下2つの穴が空いています。これらを涙点といいます。涙点は涙道の入り口ですが、この穴そのものが閉じた状態になると流涙が起こります。

涙道の治療(手術)方法

涙管チューブ挿入術

ブジーと呼ばれる細い棒を涙道に挿入し、狭窄・閉塞部を広げた後に、涙管チューブを設置する手術です。数カ月後、涙道を確保したことを確認し、チューブを抜去します。
所要時間は15分程度で、日帰り手術として受けていただけます。手術は、麻酔薬を涙道内に満たした後に行います。

涙嚢鼻腔吻合術

閉塞している本来の涙道ではなく、新たに涙嚢と鼻腔の間にバイパスを作る手術です。皮膚を切開する方法と鼻の中から手術する方法があります。
当院では実施していませんので、適応の患者様は専門の病院へご紹介させていただきます。

よくあるご質問

涙管にチューブを
入れる手術は
痛いですか?

涙道内に麻酔液を流して局所麻酔を行いますので、強い痛みはありません。もし、痛みがあれば麻酔液を追加することもできます。
ご心配な方は、目頭に麻酔の注射をすることで更なる鎮痛効果を得ることもできますのでご安心ください。

抗がん剤の影響で
涙道閉塞になることが
あると聞きました

細胞の増殖を抑制する効果を有する抗がん剤を使用している場合には、その副作用として涙道閉塞を起こすことがあります。
抗がん剤を使用し始めてから流涙が悪化した場合は、一度、通水検査を受けた方が望ましいと思われます。

手術後に気を付ける
ことはありますか?

チューブ留置中は、激しい運動、目を強くこすること、鼻を強くかむことはできるだけ控えてください。
チューブがずれて、涙点から出てくる場合があります。洗顔、洗髪やメイクなどは翌日以降、普段通りに行えます。