涙が勝手に出て止まらない「流涙症」の症状
- 涙があふれる
- 涙で視界が滲む
- 目やにがよくたまる
- 涙で目のまわりの皮膚が荒れる
流涙症とは?
健康な人でも、目にゴミが入った時や、悲しい時には涙が目からあふれます。
流涙症とは、異物が入ったり悲しいわけでもないのに、涙が多く分泌される状態を指します。涙が目からあふれるほどではなくても、たくさん溜まって視界が滲むようなケースも流涙症に含まれます。
流涙症の原因とタイプ
流涙症は原因によって3つのタイプに分けられます。
目への刺激
ドライアイ、アレルギーなどによって、目が過敏になって涙の分泌が多くなるタイプです。
涙道の詰まり
涙を鼻・のどへと排出する「涙道」が詰まることで、目に溜まる涙の量が多くなるタイプです。
筋肉のゆるみ
眼輪筋(目のまわりの筋肉)が緩むなどして、涙の涙道への排出がうまくいかず、目に涙が多く溜まるタイプです。
流涙症の検査方法
主に、以下のような検査を行います。
細隙灯顕微鏡(さいげきとうけんびきょう)検査
角膜、結膜、水晶体、虹彩、硝子体など、眼球の前部を詳細に観察する検査です。涙を染色することで、涙の性質や量、角膜に出来た傷などを調べることができます。
涙管通水(るいかんつうすい)検査
涙道に水を流し込み、鼻へと流れていくかどうかを確認します。涙道が詰まっているかどうかや、閉塞している部分がどこかを確認することが出来ます。
流涙症の治療方法
流涙症の治療は、その原因に応じて治療法を選択することが大切になります。
点眼
アレルギー性の炎症、感染症などが原因となっている場合には、点眼治療を行います。
炎症を抑えたり、角膜の過敏を改善したりする作用のある点眼薬を使用します。
涙道手術
何らかの原因で涙道が閉塞・狭窄している場合は、閉塞・狭窄部に小さなチューブを設置する「涙管チューブ挿入術」の適応となります。涙道のバイパスを作る「涙嚢鼻腔吻合術」が行われることもあります。
眼瞼下垂手術
まぶたを持ち上げる筋肉の老化によって目の表面の涙をうまく排出できない場合には、眼瞼下垂手術が有効です。
手術では、まぶたを持ち上げる「眼瞼挙筋」の腱膜を縫い縮めることで、症状の改善を図ります。