白内障手術

白内障とは

白内障手術のやり方白内障とは、主に加齢を原因として、眼の中でレンズの役割を果たしている「水晶体」が白く濁ってしまう疾患です。
早い人で40歳くらいから、80歳以上であればほとんどすべての人が白内障を発症します。薬物療法もありますが、進行を抑制するものであり、根本的な治療にはなりません。
仕事や趣味、家事などにおいて「見えにくくて困っている」と感じた時には、手術を検討します。
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白内障手術のやり方

白内障手術のやり方白内障手術では、白濁した水晶体の中身を取り除き、人工の眼内レンズを挿入します。
局所麻酔下で眼球に2~3ミリ程度の切開を加え、そこから吸引器具を挿入し、水晶体の中身を超音波で破砕、吸引します。その後、水晶体の外側の袋(水晶体嚢)の中に、眼内レンズを挿入するのが一般的な流れです。
ただし、重度にまで進行している場合や水晶体嚢の支持組織が弱い場合には、他の術式が選択されることもあります。

白内障手術の流れ

当院では、手術前の説明から手術中に至るまで看護師が患者さんに付き添い、わかりやすく説明するようにしていますのでご安心ください。医師の説明を受ける際も、分からないことがあれば気軽に質問していただけます。

1初診

問診でお困りの点をお聞きした上で、基本的な眼の検査を行い、診察で白内障の状態や他の眼の病気の有無などを確認します。
病状や手術内容によっては、追加検査をご予約にて受けていただきますので御了承ください。

術前検査・手術申し込み

術前検査手術を行う際に必要な目の検査や、全身状態を把握するための血液検査などを行います。
看護師が手術の流れや注意点について、手術用パンフレットを元に説明させていただきます。

手術説明

手術説明手術を受けられる患者様や家族様を対象に、基本的な手術内容を説明させていただきます。
診察や検査も行いますので、分からないことがあれば遠慮なくお聞きください。

2手術当日

手術前の処置

術前の処置血圧などを測定し、麻酔の点眼をします。

手術

白内障手術局所麻酔下で白内障手術を行います。
手術時間は約10分です。

手術終了

手術が終わったあとは、院内で少しお休みいただきます。
お体の状態を確認し、問題なければお帰りいただけます。
眼帯は、翌日の診察まで外さないようにしてください。

3手術後の検診

良好な手術結果のためには術後の診察が大変重要ですので、必ず来院いただきますようお願いします。ご自宅で何か異常を感じた時には、すぐにご連絡ください。

白内障手術の術後

手術後の日常生活

手術直後の1週間は、特に注意をして生活する必要があります。
手術が決定すれば個別に詳しくご説明いたしますが、正しくケアをするようにしてください。

生活上の注意点

手術直後は強く目をつぶる、目をこするといった目への負担、あるいは重い物を持つといった身体への負担を特に避けてください。
就寝中は無意識に目を触らないように、保護眼帯を装着するようにしてください。

点眼薬

処方した点眼薬は、用法・用量を守って正しくお使いください。
医療用のコットンで目のまわりをきれいにした上で、点眼薬の先がまつ毛に触れないように差します。
目からあふれた点眼液は清潔なティッシュなどでふきとりましょう。同じハンカチやタオルを繰り返し使わないように注意してください。

入浴

首から下のシャワーは、手術翌日から再開可能です。ただし、汗・水が目に入らないように気をつけてください。お湯を貯めての入浴や目に水が入らないように注意した上での洗髪・洗顔は、術後3日目から可能です。

仕事

デスクワークであれば、手術翌日から再開可能です。
一方で重い物を持つような仕事の場合は、1週間ほどお休みいただくことがあります。

運転

普通自動車は両眼での視力が0.7以上あれば運転できます。ただし、手術前と多少距離感が違うことがあるため、十分にご注意ください。

眼鏡

術前に使っていた眼鏡が合わなくなるため、作り替えが必要です。ただし、術後の視力が安定するまでには少し時間がかかります。傷口の状態が落ち着き、ピントが安定する術後2カ月を目安に作成することをお勧めします。

よくあるご質問

白内障手術は
痛いですか?

手術による痛みはほとんどありません。もし「痛い」と感じた場合にはすぐに麻酔を追加できますので、我慢せず医師にお伝えください。もともと痛みに敏感な方や痛みが心配な方は、事前に医師やスタッフにご相談ください。

手術はどのような
タイミングで受けたら
良いですか?

まずは「目がかすむ」、「以前より見えにくい」、「光がまぶしい」といった自覚症状を確認させていただきます。その上で視力の低下や水晶体の濁りの程度といった検査や診察の結果を踏まえて、手術の適応を医師が判断いたします。手術のタイミングは医学的な判断だけではなく、免許更新のような社会的な要因、ご本人やご家族の体調といった個人的な要因も関与するため個々のケースで異なってきます。患者様の生活環境やご予定も考慮し、具体的な時期を患者様と医師で一緒に決めさせていただきます。

手術が手遅れになる
ことはありますか?

ほとんどの場合、白内障手術で手遅れになることはありません。ただし目の中の組織が弱い方の場合、手術時期を先延ばしにすることで、手術が難しくなることで時間がかかったり、追加手術が必要になることがあります。白内障と診断されたら、手術に適切な時期を把握するためにも、定期的に受診することをお勧めします。

手術中はメスとか
器具が見えますか?

手術中は瞳孔が開いているため、ピントがあわない状態です。顕微鏡のライトが当たるので、まぶしさは感じますが、器具などが見えることはありませんのでご安心ください。

手術中に、まばたき
しても大丈夫ですか?

手術中は、まぶたを固定するクリップをつけているため、まばたきは出来ない状態になっています。ただ無理に目を閉じようすると、力が入って目が動いてしまいます。手術中はリラックスして顕微鏡のライトをぼーっと見ていただけるとありがたいです。

糖尿病がありますが、手術はできますか?

当院では、糖尿病を含めて持病をお持ちの方につきましては、内科等のかかりつけ医に手術の可否をおうかがいする手紙を送っています。かかりつけ医の手術許可が下りない場合には、基本的には手術を延期し、最良の結果が得られるよう血糖値の改善を待って手術を行います。ただし白内障による視力低下が原因で最低限の生活(食事、排泄など)に支障が出ている場合や、糖尿病の治療に直接影響する場合には、手術の危険性をご理解いただいた上で白内障手術を実施することもあります。悩んでおられる方は一度、ご相談ください。

体が不自由(車椅子、背中が曲がっている
など)ですが、手術は
受けられますか?

お体が不自由でも、ほとんどの場合は手術を受けていただけます。車椅子から手術室の椅子への移動などはスタッフが介助しますのでご安心ください。背中が曲がっていて仰向けに寝られない場合でも、クッションを利用するなどして手術可能な場合がありますので、医師にご相談ください。

白内障手術の合併症はありますか?

まれにではありますが、白内障手術による合併症が起こる場合もあります。その場合には、適切な対応を迅速に行うようにしています。
目の中の組織が弱い場合には、硝子体手術が必要となることがあります。当院では、硝子体手術の経験豊富な院長が白内障手術を行っておりますのでご安心ください。

白内障手術後、
いつまでぼやけて
見えますか?

個人差がありますが、早い方は手術の翌日から、平均して2〜3日程度で見え方が改善してきます。その後、1ヶ月程度かけて見え方が安定してきます。
多焦点レンズを選択された場合、見え方に慣れるまで数ヶ月かかることがあります。

白内障手術を受けたら、もう白内障になることはないですか?

白内障手術で水晶体の混濁を取り除いて人工レンズに置き換えますので、再び白内障になることはありません。ただ、人工レンズを支えるために残した水晶体の袋が手術後に濁ることで、再度見えにくくなることがあります。これを後発白内障といいます。この場合はYAGレーザーを用いて濁った袋に穴を開け、光を通るようにすることで視力を改善できます。レーザー時に痛みはありません。この処置は外来で受けられるので、手術後にまたかすみが出てきた場合にはご相談ください。